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by 1193ru
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函館ハリストス正教会

ポツポツと雨が落ちて来る中、「函館ハリストス正教会」の前にいた。
曇り空に切り込むようにスッと建つその様。
青銅色のキューポラが灰色がかった空に映える。
美しい。
c0020127_22541569.jpg


このような建物を「ロシア風ビザンチン様式」と言うらしい。
雨に当たってふやけたガイドブックの滲んだ字が語っていた。
後からガイドブックをよく読んだら、再建を繰り返し1988年の修復でよみがえったこの教会内部には、明治時代にロシアに渡った女流画家山下りんの描いたイコンが飾られているとのこと。
小雨に負けて足早に立ち去ったことが悔やまれた。
山下りんの作品に触れたかった。

白壁のあちこちにあるアーチ型の窓のひとつから、司祭の姿がのぞいたような、そんな幻影を覚えつつ、ガイドブックを雨傘代わりに走り去る。

元町の教会は、どこも不思議な時の流れを持っている。
この函館ハリストス正教会も、独特な時の流れの中に佇んでいた。
そこに人はいるはずなのに、時の大河の流れの前では、生体反応も無に等しいのだろうか、人の気配が全く感じられない。
一心に神に向かうことは、「無」に近づくのだろうか。
「個」や「生」の息づきが全く感じられない。
なのに、どうしたことだろうか。
こころが穏やかにしんと静まり返った湖の水面のごとく、どこまでも深く落ち着いて行く。
一枚の崇高な名画の中にポンと投げ込まれたような不思議な感覚が、ここ元町の各教会を中心にそれぞれ無限に広がっている。
元町は、とても不思議なところ。
できることなら、ここにしばらく滞在してみたいなと思った。
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by 1193ru | 2008-04-09 23:03 | モロモロ