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by 1193ru
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せつない風景の落ち着き先

何とはなしに、ある風景が頭をよぎる。
それは、本来はとてもしあわせな風景だったはずなのに、その後の思いがけない人生の展開で、その風景はいつの間にか、とてもせつなく混乱をよぶ風景になってしまった。
そんな風景が、この季節になるとどこからともなく、頭にひたひたと侵入してくる。

その風景は、我が家の玄関の門扉にあるモノがぶらさがっているのだ。
それは、ウン十年前の12月25日の朝の風景。
門扉にぶらさがっているのは、ぷっくりとふくらんだ登山用靴下の片方で、北風に吹かれ揺れている。

ただそれだけの風景で、その時の気持ちはとてもあたたかいしあわせなものだった
なのに、その後自分の身に起きた思いがけない出来事が、その風景をせつなく混乱するものに変えてしまった。

ここ一週間程、その風景が頭をよぎる。
その度に、涙がこぼれる。
涙がこぼれた後、しばらくして、悲しみがこみ上げる。
涙と悲しみの間に、せつない混乱が横たわっている。

今日、そのことをある人に話すことができた。
あまりに抽象的なことで、きっと何がなんだかわからなかったと思うけど、それでも、耳を傾けてくれた。ありがたいことだ。
ウン十年間、言葉にできなかったことを言葉にしたら、せつない混乱が少し落ち着いた。
それから、少しホッとした。
というのも、この風景が頭をよぎると、自分が壊れてしまうような気がして怖かったから。

帰宅して、今はそのことをブログに書いている。
書きながら、さらに混乱が落ち着いてきているように感じている。

言葉にできなかったことを言葉にする。
それを繰り返す。
ある時は声で、ある時は文字で。
からだから言葉にして出す。
それを何度も繰り返すうちに、混乱をよんでしまう過去の風景や出来事は、美術館のコレクションのように、丁寧に額装されタイトルがつけられ収蔵庫の決まった場所に納められる。
時たま収蔵庫の扉を開けて自分からのぞくことがあっても、不意に何かのきっかけで私の目につくところへ飾られても、以前のように混乱はしなくなり、「ただそれをながめる」ということが無理せず、自然にできるようになるだろう。

明日、講座でこんな感じのことを話そうかと思っている。
こころの深いところに入った傷を、私はこんな感じで癒していると、話してみるのもたまにはいいかもしれない。
by 1193ru | 2007-12-21 23:39 | DV