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by 1193ru
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ある女性の話

あるDV被害経験を持つ女性が、言った。

「いろいろあったけど、自分なりに整理ができて、仕事もプライベートも安定して充実した毎日を送っていました。
そんな時に、彼に出会い、会ったり、食事をするうちに、段々とつき合うようになりました。
私は彼といるととても安心できて、DVを経験してもう男性を信頼することはできないと諦めていた私に、また信頼関係が結べるということを教えてくれたように感じていました。「信頼」と言葉にしなくても、そこに当たり前にある信頼関係に私は心から安心して、本当に幸せでした。
月日が経つにつれて、結婚の話が出るようになりました。その頃、私は自分のDV経験を彼に話すようになっていました。彼は、私の経験も理解してくれ「そういう経験があっても一緒に乗り越えて行こう、僕たち2人なら何でもできるよ」と励ましてくれました。すごくうれしかったです。
でも、ある時、私は私の友人に呼び出されて、彼女と彼がつき合っていることを知りました。一点の疑いもなく、心から信頼し好意を持っていた彼は、1年弱の間、私が紹介した友人と私の両方とつき合っていたのでした。
そのことを彼に問うと、事実を認め、私に謝罪をしました。私の友人とは別れ、私とこれからもやって行きたいと謝罪をしました。
私は、混乱しましたが、また彼とやって行くことにしました。
最初の数ヶ月は、彼は今まで以上に誠実に私に接してきました。
でも、私は彼の浮気を思い出します。そして、その度に、パニックになったり落ち込んだり、自分でも押さえられない感情が噴出します。
私はそうなる自分が嫌で、PTSDやトラウマの勉強をしました。自分がどうしてそのようになってしまうのか、どうしたら乗り越えられるのかと必死だったのです。
彼にも協力をお願いしました。私がそのような状態にならないように、具体的にこうして欲しいというお願いをいくつかしました。
彼の浮気という暴力を受けたこと、そして暴力を受けるとどうなるのか、それを彼に理解して欲しくてDVに関する本もプレゼントしました。読んでくれたと信じたいけれども、定かではないです。
でも、残念ながら彼はDVの理解はできなかったみたいで、私がバランスを崩すようなことをします。彼からみればそれは些細なさもないことでも、私には彼の浮気を思い起こさせるもので、パニックになってしまいます。その理解を、彼はできず、最近では、私の過去のDV経験がそうさせるのではないか、と言って、結局私は「オカシイ女」とされてしまいました。
彼の浮気は彼の問題で、私はそれに傷付いてしまった。でも、そういう彼とやっていこうと二人で決めて、私は精神バランスを崩したくないので「予防策」と提案しお願いしたけれども、それは理解されず、挙げ句、彼の言動でバランスを崩す原因を過去のDV経験のせいにされてしまいました。
今、私はボロボロです。」

私は泣きたくなった。
DV被害に遭い、DVを学び、回復に膨大な時間と労力を費やし、やっと自尊心を回復した彼女を知っている。彼女が彼と出会ったことを、私は心から喜んでいた。彼が浮気をした時、彼女が人知れず自分のケアにまたまた膨大な時間と労力を費やし、DV被害女性の心理に詳しいカウンセラーのもとにはるばる新幹線で通い大変な苦労を払いながら癒していたことも知っている。
でも、彼は、二人に起きている問題を彼女の過去のDV経験によるものだとして、彼女の存在を投げ出した。

「彼は、私といると行動範囲が狭められると言いました。私の女友達に会う時、私に黙って会ったらまた揉めるな、と思うと。そういうことは、どうしても彼の浮気を思い出すのでして欲しくないと私はリクエストしていました。女友達と会う時は、私も一緒に会うことにしましょう、とお願いしていました。でも、彼は理解できないのでしょうね。結局、私が彼の行動範囲を狭めていると言いました。私は、違うと感じたけれども、『一生、相容れない部分だ』と言い切られてしまいました」

そして、彼女はまた自分のケアに全力を注ぎ始めた。
自分が悪くてついた傷ではないけれど、その傷の癒しに人生の多くを費やさなくては生きていけないと言って笑った。

DV被害経験のある女性に会った日は、自宅に戻ると私は悔しくて悔しくて涙が出る。
暴力は振るう側の問題ではないか。
なのに、振るわれた側の傷は大きすぎる。
その傷を知らない人は「そんなの流してしまえば」「あなたがおおらかにならないと」「時間がいやしてくれる」と言うかもしれない。
でも、そうできないから、苦しむのだ。
DV被害女性のパートナーにも、もちろんいろいろな選択があるだろう。
彼女と別れる時に、彼女の過去のDV経験を理由にするのは酷だと私は思う。
そういうケースもあるのは知っているけれども、先述した女性の場合はやっぱり酷だと私は思う。

これは、私の知っている話のひとつ。
今朝、思い出して、どうしても書きたくなった。
たくさんのDV被害女性の話が、私のこころとあたまに詰まっている。
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by 1193ru | 2007-06-15 06:58 | DV