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by 1193ru
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女性として人として・・・・

「スタンドアップ」(原題「North Country」)を観た。

そこはシネマコンプレックスの大きな映画館。
夕方からの上映が災いしたのか、それとも宣伝がイマイチなのか、この内容のせいなのか(この内容だからたくさんの人が観るべき・・・と思うのは私だけなのだろう)、私を含め、観客は数名。
5人もいたかどうか。
ほとんどがシニア男性だった。
しかも、みんな一人客(私もだ)。
二列に一人くらいの、贅沢な環境で観た。
あのシニア男性たちは、この映画を観て何を感じたのか、聞いてみたかった。

さてさて、「マザーテレサ」に引き続き、またしてもワンシーンから熱いモノがこみ上げてしまった。

『1975年 ミネソタ北部の鉱山で
初の女性を採用
1989年でも
男女比は30対1だった
この物語は実話に基づく
ミネソタ北部 1989年』

スクリーンに映し出される字幕と荒涼とした冬の鉱山風景。
ジワジワと体を凍てつかせる静かな説得力。
そう、この映画は、本当につい最近起きた事実に基づいている。
集団セクハラ訴訟を通して、女性への理不尽な出来事を突きつけている。

性犯罪被害者、DV被害者、シングルマザー。
主人公ジョージー・エイムズの人生が、この3つの言葉からいかに過酷なものか、観る前に具体的にどんなに過酷かを想像できた人は、そうそういないはず。
体験者でなければたぶんわからない過酷な状況を、
それをこの映画は、多くの人に実体験にとてもとても近い理解を観る者に与えようとしている。

シングルマザーの多くが、深刻なセクハラを受けていることが多々ある。
これは日々の相談対応の中からもはっきり言えることだ。
多くのシングルマザーが多かれ少なかれ、このような状況に立たされている。
しかし、映画で描かれているように、救済の手は薄くほとんどないかのように見える。
少なくとも、渦中の彼女たちにはそういった情報が得られていないことがほとんどだ。
どんなに辛い状況でも、それに負けないで自分で立ち上がらなければ、救済の手を掴む(もしくは切り開く)ことはできない。
過酷な状況で潰されかけた状況で立ち上がるには、どんなに力が必要か。
たった一人だったら、どうだろう。
正直、ほとんどの人はできないかもしれない。
しかし、それをやった女性がいる。
そして、そんな女性たちが世界中にいたからこそ、今、セクハラは社会問題として取り組まれているのだろう。

劇中、レイプシーンをはじめ、目を背けたくなるシーンがいくつかあった。
性暴力を仕事や活動で何度も対応しているにも関わらず、私は心底そういったシーンが苦手だ。
でもこの映画では、怒りを持ってしっかり観ることができた。
それは、性暴力の問題と背景を女性の視点でしっかりと見つめさせてくれた、監督ニキ・カーロと、主演のシャ−リーズ・セロンの力量のお陰だろう。
こんなことは初めてだった。
この映画は、とてもとてもとても女性の気持ちを理解し、何が問題なのかを驚くほど鮮明にわかりやすく観る者に指し示してくれている。
そして、人として、本当に人として揺るぎないしっかりとした力強い視点を持って描いている。

女性として、人として。
強さを、強くなれることを、明確に伝えてくれる映画だ。
人によっては辛い映画かもしれないが、多くの女性に観てもらいたい。

仙台では、2月3日(金)までMOVIX仙台&MOVIX利府で1日各1回上映中。
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by 1193ru | 2006-02-01 02:02 | MOVIE