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by 1193ru
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今日、信じたいこと

昨日の昼、ビッグイシューのベンダーさんから、「体調が悪くて、ここ数日販売に立てずにいる」という電話が入りました。
どのような状況なのか伺うと、食欲がなく胃痛がするとのこと。
下血、吐血、嘔吐、発熱、目眩、寒気、痛みの様子・範囲等の具体的な症状を手短に聞き出したところで、公衆電話からの連絡だったため切れてしまいました。
携帯を見つめしばらく再コールを待ちました。
でも、一向に携帯は鳴りません。

職場の先輩の了解をいただき、すぐに販売地点に向かいましたが姿はなし。

今朝、ビッグイシューの卸に行きましたが、そこにも彼は現れませんでした。
お昼休みに再び販売地点へ。
でも、やはり会えず終い。

心配で、心配で・・・・。
というのも、路上生活は私たちの想像以上に健康を蝕むのです。
そのベンダーさんは、かなり長い期間、路上生活をしていると聞いていました。
以前から膝や腰・背中に慢性的な痛みも出ていましたし、内蔵に影響が出ていてもおかしくありません。
路上生活の方々から、体調の異変の相談があった時は、とにかくすぐに対応しないと手遅れになってしまうことが多々あります。
昨年の冬や今まで経験したり見聞きしてきた最悪の状況が浮かんできました。
泣き出したい気持ちでいっぱいになりながら、仙台夜まわりグループと連絡を取りつつ、路上生活者の方々に彼がどこにいるのか聞いて回りました。
でも、手がかりはなし。

どうしよう。
どうしよう。

夕方、卸にご協力いただいている五ツ橋館の松田さんから、彼が昼過ぎに仕入れに来たと連絡が入りました。
顔色が悪かったとのこと。また、私が卸をした午前中は体調が悪く起きることができなかったようだと・・・・。

20時。
仙台夜まわりグループの夜まわりに参加しました。
担当ルートを終え、集合場所に着いたのが21時過ぎ。
それから全員で仙台駅へ向かいました。
どこに行ってもそのベンダーさんの姿はありません。
駅の東口に走り、当事者の方々に聞いて回りました。
でも、そこでも何の手がかりもなく、なさけない気持ちでいっぱいになりました。
食べ物等を配り終えて空っぽになったはずの手提げ袋とポットが、とても重く感じました。
夜のペテストリアンデッキをメンバーと一緒に歩きながら、悲しくて、悲しくて、いたたまれなくなりました。

今夜最後の差し入れ場所の地下道へ。
すると、そこに、探していたベンダーさんが!!
うれしくて、
本当にうれしくて、
涙が出そうになりながら、
ベンダーさんと話しました。
先週会った時よりもずっと痩せていました。
顔色も悪く、笑顔がひきつっていました。
そんな様子を見たら泣きそうになりました。
痛いという胃のあたりにそっと手をあてながら、話をしました。
すると、彼の口から出た言葉が、
「お客さんが待っているのによ。行けないんだよ。くやしいよ。ごめんなぁ〜・・」

この2ヶ月間で、このベンダーさんははすっかり変わりました。
表情も、雰囲気も、生活のサイクルも・・・。
ビッグイシューの販売が楽しくて、楽しくてたまらない、といつも言っていました。
遠くに販売に行く時は、なんと2時に寝場所を出発したこともありました。
日の出と共に起き、毎日ワクワクして朝に一度販売場所に行き、その日の販売場所の様子を見、それから簡単な食事をとり、仕入れをし、定刻の10時過ぎに販売を開始。
午後3時過ぎまで販売し、その後、昼食と夕食を兼ねた食事をとり、足腰の疲れをほぐし、22時には就寝。
お酒は飲まず、体調管理に気を使い、仲間との交流を大切にしていました。

今までとは全く異なる規則正しい生活サイクルを楽しみ、ビッグイシューの販売を楽しみ、行き交う人たちとのコミュニケーションを楽しみ、尚かつ自立に向けて目標を立てて頑張る日々でした。
いろいろイヤなこと、面倒なこともありましたが、それを一つひとつ乗り越え、かわしたお陰で、たくさんのお客さんもついてくれるようになり、毎日差し入れが届くようになりました。
それだけ、人に、地域に、慣れ、受け入れられて来ていたMさん・・・。

だから、なのに、きっと、本当に、くやしくて、残念で、しかたがなかったのでしょう。

明日午前中に、サポーターが付き添って病院に行くことになりました。
別れ際、何度も何度も、「病院に必ず行ってね」と約束しました。
約束なんてしなくとも、彼は病院にきちんと行く人にも関わらず、何度もしました。
その約束は、私自身に言い聞かせているものでした。
「明日になれば病院につながる。だから、もう、大丈夫。絶対大丈夫」と・・・。

ホームレス支援をするようになって、私は心配性になりました。
天気や気温に一喜一憂し、雨が降ったと言ってはハラハラし、雪や冷え込みの厳しい朝が恐くてたまらなくなりました。
なさけなくも、どうしても治らない癖。
でも、そんな自分でいいと思うのです。

明日の診察の結果が気になります。
でもね、きっと大丈夫。
そう信じて、明日、連絡を待ちます。

数日中に、またあの人なつっこい笑顔が路上に戻ることを、心から信じて疑わない自分がいます。

門間@Moorea(Gipsy Kings) 拝
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by 1193ru | 2005-09-21 23:56 | ビッグイシュー