ご覧いただきまして、ありがとうございます。


by 1193ru
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

京都・龍安寺

石庭で有名な、京都・龍安寺へ行ってきました。
京都には何度か来ていましたが、龍安寺は初めて。
写真やネットでは拝見していましたが、想像よりも小さなお庭で意外でした。
龍安寺・庫裡の敷居をまたぐと、まず正面に仏様がいらっしゃいます。
この仏様、なんども言われぬ雰囲気がありまして、その底知れぬものに恐れをなしてしまいました。
大きなものではないのですが、その存在感たるや尋常なく。
そこから方丈へ進み「方丈庭」とも呼ばれる石庭まではほんの十数歩程度なのに、庭が見えるまで私をとらえ離しませんでした。

石庭は、想像以上に小さく、箱庭がそこにあるようなそんな気持ちにさせられました。
c0020127_1119213.jpg


この暑さのせいか、土壁にはりつくようにしだれ桜の枝が落ち。
その土壁自体は、ゆるやかな傾斜をもって観る者の感覚を静かに緩めていきます。
大小15の石が規則正しく整えられた石砂の上にあり、その様は計算されたようなそうでないような、私たち観る者の心ひとつでいかようにも映ります。
c0020127_1121444.jpg

どうやら石砂が引かれた地面もゆるい傾斜をもっているようで、土壁自体の傾斜と三方を囲む空間、そして石砂上に佇む石…これらが相まって感覚がどんどん非日常へ流れて行きます。
気がつけば誰もが口数少なくなり、ただただ石庭に魂が向いています。
色彩がありながら、ここはモノクロの世界。
気がそうしているのでしょうか。
土壁の向こうには眩しいばかりの猛暑の青空が広がっているというのに、桜がしなだれかかる土壁に囲まれたこの空間では、刺激的な光りや色彩、そして温度までが存在しないのです。
実に興味深い。
ここに存在する私たちの脳に何を与えればこんな感覚を持たせることができるのでしょうか。
この空間全体。形あるものだけではなく、ないものも含めてのなせる技なのでしょうけど。

柱を曲がると、モノクロの世界が一変し、さまざまなグリーンが静かに広がります。
西の庭と呼ばれる苔むした小さな林の庭です。
c0020127_11352639.jpg
木立の向こうにすぐ塀が見えそのまた向こうの雑多なものがのぞいているにも関わらず、この小さな庭には深く広い奥行を感じてしまいます。
突如、苔むした杉山に迷い込んだような。
深く果てのない未知の森に飛び込んでしまったような。
西の庭をしばらく味わい、さらに柱を右に折れ、北の庭を眺めながら進むと徳川光圀寄進と言われる「吾唯足知」の蹲踞と侘助椿があります。
蹲踞はレプリカとのことでしたが、なるほどこれがかの有名な…と感慨深いものがありました。
脳トレや小中学校の入試でよく見られる問題はここから来たのかとつい思ってしまうのですが、中央の水口を「口」の字に見立てて周囲の四文字を完成させて意味を伝えるという、実にユニークなものなのです。
c0020127_11461750.jpg


庫裡を出て、暑さでぐったりした蓮が痛々しく映る鏡容池沿いを歩き、山門から龍安寺をあとにしました。

門をくぐればそこは異次元。
京や奈良。
歴史の長い神社・仏閣を巡る楽しみは、日常では味わえない想像を越えたこの異次元・異空間を味わえることなのかもしれません。
[PR]
by 1193ru | 2010-08-22 11:38 | モロモロ