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by 1193ru
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モラルハラスメント

パートナーからのモラルハラスメントに悩んでいるという方からご連絡がありましたので、この機会にモラルハラスメントについてちょっと書いてみますね。

パートナーからのモラルハラスメントは、DVの精神的な暴力(言葉の暴力やほかの暴力に含まれるという考え方もある)に含まれると考えられます。
「DV」でも「モラルハラスメント」でも「いじめ」でも「暴力」でも、どれでも自分の被害や状況にしっくりくる言葉を使えばいいと私は思っています。
自分の身に起きている状況に気が付き、その状況に名前がつくということは、離脱や回復の大きな第一歩になるからです。
「モラルハラスメント」という言葉を使う方は、もしかしたら「私はDV被害者とは違う」「私の受けているのは暴力ではない」と考えているのかもしれません。
もちろん、その逆もありです。
その言葉を選び使うこだわりが必ずありますから、それをご自信で理解しておかれるといいと思います。
傷がどこにあるのか、どんな風に痛むのかがよくわかりますから…。
以前、私が担当をした数人の方は「モラルハラスメント」という言葉をお使いになりました。
継続面接の中で、その方たちが「DV=激しい身体暴力」ととらえていることがわかりました。また、中には「DV=悲惨」というイメージを強く持たれていた方もいて、「私はそんなに悲惨ではない」と考えることで辛い状況の中でもご自分を支え立たせていたということがわかりました。

モラルハラスメントをする人は、年齢・国籍・職業・収入・社会的地位等に関係なく存在します。
DVの加害者像が書かれている本がいくつもありますので、ご覧ください。
これまで私や私の仲間が支援をしてきた被害者の方のパートナーの職種は、多種多様です。
社会的地位が非常に高いと言われている職業の人、人権に関わるお仕事をしている人、そしてDV被害者に関わるお仕事をしている人もいました。
全国どこの被害者支援組織でも同じですね。
要するに、何度も繰り返しになりますが、加害者はこの社会の至るところにいるということです。

さて、このモラルハラスメントですが、どこに相談したらいいのかとのご質問をよく受けます。
各都道府県の女性センター…と言いたいところですが、多くはDVの中でも特に身体的な暴力を専門としているので(もちろん女性への他の暴力も専門なのですが)「モラルハラスメント」と言ってしまうと対応がイマイチになってしまうことがたまにあるようです。
「DVの精神的な暴力」と言ってご相談になるといいかもしれませんね。
各都道府県の法務局で設置している人権擁護委員による相談窓口もしかりです。
男女共同参画センターのようなところだと、他に比べ「モラルハラスメント」が通じやすいかもしれません。
より適切な相談対応を求めるのであれば、「モラルハラスメント」という言葉が通じにくいと感じたら「精神的な暴力」「言葉の暴力」等と言い換えるのも手です。

私は宮城県に住んでいますが、モラルハラスメントの相談は以下の相談機関をお勧めしています。

・せんだい男女共同参画財団 エル・ソーラ仙台 相談支援係(面接相談・託児付)
・みやぎ男女共同参画相談室(電話相談・面接相談)
・仙台女性への暴力防止センター・ハーティ仙台(電話相談)

各相談機関には複数の相談員がいますので、「この人ではわかってもらえない」「理解が低い」「相性がイマイチ」と感じたら、「別の相談員さんをお願いします」と伝えてみてください。
勇気がいるかと思いますが、良い相談機関はこのようなリクエストに快く対応してくれます。

さて、私個人へのご質問も寄せられているのでお答えしますね。
私は、上記の相談機関では対応に出ていません。
昨年春までは上記のすべての機関で何らかの形で相談対応をしていました。
現在は、個別の電話と面接とメール相談は、ごくたまにしか受けていません。
ほとんど地方巡業に出てまして(笑)
モラルハラスメントに関しては、講演・講座でお話させていただいています。
今年も6~8月頃に仙台でモラルハラスメントの2時間の講座をする予定になっています。

お問い合わせのお答えになったでしょうか?
また何かありましたらご連絡くださいね。
by 1193ru | 2010-02-12 23:05 | DV